2008年5月28日水曜日

いつか、虹の向こうへ



伊岡瞬さん「いつか、虹の向こうへ」
ある事件で有罪になり(はめられたのだが)、職も家庭も失った元刑事。服役後、警備の仕事で暮らしている。唯一残された古い家には、わけありの3人の居候と同居生活を送っている。そこに家出少女が転がり込んだのだが、その少女に殺人容疑が…。ヤクザに脅されながらも少女を救うために真相を探っていく元刑事。
ハードボイルドのくくりになるのでしょうが、主人公を含め、それぞれ悲しい過去をかかえている居候の3人の絆が心地よい物語です。
ドラマ向きの話なので、横溝正史ミステリ大賞&テレビ東京賞、W受賞しTVドラマ化されたのもうなずけます。
題名にもなった「虹売り」の童話は悲しいお話ですね。

2008年5月26日月曜日

リオ



今野敏さん「リオ」
「警視庁強行犯係・樋口顕」シリーズの第1作に当たる小説。
樋口さんの性格が一番詳しく書かれています。
小心者で自分に自信が持てない、けれどもそれが良いほうに転んでいく。
そんな樋口さんにとても好感がもてます。
もちろんお話もおもしろいですよ。
美少女「リオ」の姿を想像してやまないストーリーでした。

2008年5月21日水曜日

神はサイコロを振らない



大石英司さん「神はサイコロを振らない」
ちょっと前にTVドラマ化され、評判が良かったので読みました。
タイムスリップした旅客機が乗客を乗せて10年後に戻ってきた。ただ3日後にはみんな消えてしまう運命。自分よりも10年年を重ねた人たちとの再会、そして残された3日間の中でどう生きるか…。
とても面白く感動的なお話なのですが、いかんせん登場人物が多すぎるし、淡々と話が進んでいくので、感動も半減。ドラマの方が良かったようです。
以前に読んだ同じ作者のタイムスリップものとしての「ぼくらはみんな、ここにいる (中公文庫 お 67-2)」の方が感動しました。

2008年5月16日金曜日

禍家



三津田信三さん「禍家」
ホラー+ミステリーなのでしょうか。
なんだかなぁ、安っぽい感じ?
中高生の時代に読んだら怖かったのかなぁ。

2008年5月12日月曜日

朱夏



今野敏さん「朱夏」
「ビート」が面白かったので引き続き「警視庁強行犯係・樋口顕」シリーズ2作目です。
主人公の樋口警部補の妻が誘拐された。その救出劇のお話です。
今回も樋口さんのイイ味がでています。
争いは好まず、自分には自信が持てないがきっちりやることはやる樋口警部補。
イイ人です。
面白かったので、1作目の「リオ」も読もうっと。
「青春」の次に来る季節が「朱夏」だそうです。

ビート



今野敏さん「ビート」
「隠蔽捜査」「蓬莱」とハズレがなかったので、「警視庁強行犯係・樋口顕シリーズ」を読みました。(3作目ですが)
銀行の不正を暴くガサ入れの情報を、大学柔道部の後輩である銀行員に漏らしてしまった刑事。その銀行員が殺され、自分の息子が犯人だと確信する。
警察小説の中に家族の再生が書かれた、心温まる物語です。

2008年5月6日火曜日

聖者は海に還る



山田宗樹さん「聖者は海に還る」
生徒が教師を射殺し自殺する事件のあった中高一貫の進学校に、心のカウンセリングのために招かれたスクールカンセラー。その爽やかな人柄と即効性のあるカウンセリングで生徒の心も落ち着いてきた。
ただ彼には少年期に心理療法で押さえ込まれた邪悪な心が残っていた…。
一気に読ませる小説です。
心が壊れていく様がリアルで悲しいですが、最後には希望の残る物語です。

2008年5月1日木曜日

蓬莱



今野敏さん「蓬莱」
傑作です。面白いです。
国造りシュミレーションゲーム「蓬莱」がスーパーファミコンのソフトで発売される直前、ヤクザから発売妨害の嫌がらせを受ける。背後には政治結社や大物政治家の影が…。たかがゲームに一体なぜ?
秦の始皇帝から命を受け、不老不死の薬を求め現在の日本に渡ってきた来たという「徐福」の伝説がからみ、読み応え十分の内容です。
ゲームはあまり好きではないのですが、この「蓬莱」はプレイしてみたいなぁ。

正義の証明

 

森村誠一さん「正義の証明」
森村さんの「人間の証明」「野生の証明」が好きだったので、大いに期待して読みました。
なんでしょう、ありえない設定というか、文章が昭和チックというか、「正義」について全然証明されていなぁい。上下巻あるのですが途中からナナメ読みしてしまいました…。

繋がれた明日



真保裕一さん「繋がれた明日」
以前、NHKのTVドラマで見ましたが、原作を読んでいなかったことに気づき読んでみました。
誤って(殺意はなく)人を殺してしまい服役し、仮出所した主人公。
彼を待ち受けていたのは、自分のため人生の歯車が狂ってしまった人たちからの(家族もふくむ)冷たい対応であった…。
読み進めているうちに、ドラマのシーンがよみがえり、小説に忠実な出来であったなぁと変なところで感心。
感動も半減し、さきに読んでおくべきであったと思いました。