2008年6月26日木曜日

雪虫



堂場瞬一さん「雪虫」
前々からやたらと書店で宣伝していたので、読んでみました。
祖父・父親も刑事であり、自分も新潟県警捜査一課の刑事となった「鳴沢了」シリーズの第1作。
殺人事件の被害者の老女は50年前、新興宗教の教祖であった…。
過去の殺人事件と祖父・父親の関係…。
刑事として生まれ、刑事としてしか生きていけない「鳴沢了」。
ソフトタッチなハードボイルド刑事小説って感じです。

2008年6月20日金曜日

狼の血



鳴海章さん「狼の血」
普通のサラリーマンが拳銃をひょんなことから手にした時から変わっていく。
どちらかというと小心者であるサラリーマンの日常の生活から、拳銃を手にしてからの心中などが、ものすごくリアルに書かれている。
どんどん殺人を犯していくのだが、対象は親父狩りの若者、性格のゆがんだ立ち食いそばの店員、なんちゃって女子高生であり、どうしょうもない会社の上司は頭の中でしか殺していない。
ところがまたリアル。
リアルであるが決して自分はそうはならないと思う。というか思いたい。

2008年6月3日火曜日

孤宿の人

 

宮部みゆきさん「孤宿の人」
「ほう」は「阿呆」のほう、と名づけられた少女。
誰からも祝福されず、身の上をたらいまわしにされながらも、生きていく「ほう」。
「ほう」という少女が、かわいそうで、けなげで、かわいくて、何度も涙しました。
「ほう」の理解者「宇佐」のやさしさにも心打たれます。
いつもながら宮部さんの小説は、暖かいですね。
特に今回は子供への愛情が感じられました。
自然と涙がこぼれる、感動の物語です。