2007年10月28日日曜日

対岸の彼女



角田光代さん「対岸の彼女」
高校時代、いつも前向きだと思っていたナナコが流した涙。
そしてナナコと家出、自殺未遂。その後会いたくても会えなかったナナコとの一度っきりの再開。
そして現在、二人の女性の友情、別れ。
男の僕でも、なかなか感動しました。
女性であればすごく共感できるんだろうなぁと思えるお話です。

FLY



新野剛志さん「FLY」
恋人を目の前で殺害された。その犯人を15年間執念で追いかける。
高校時代からの話は長いようですが、その後のストーリーを考えると、
主人公への思い入れが強くなるぶんよいのかな。
恋人が殺された「真相」は予想外でした。
さまざまな人間関係のドラマがあり、それぞれ悪いことをした人間は報いを受けてしまうんだなぁ。

2007年10月13日土曜日

ノーサラリーマン・ノークライ



中場利一さん「ノーサラリーマン・ノークライ」
泣かないサラリーマンはいない。いつも辞めたいと思いながらも、歯を食いしばって頑張ってしまう。
そのところはひどく共感してしまう。
主人公のカネテツの情けない姿に、自分を重ねてしまう。
ありそうでありえない、ありえないようでありえる、そんな小説でした。
題名はボブ・マーリィの名曲「ノーウマン・ノークライ」のパクリなのでしょうね。

2007年10月7日日曜日

楽園

 

宮部みゆきさん「楽園」
「模倣犯」でルポライター前畑滋子のお話ですが、「模倣犯」ほどドキドキ感はなく、話は流れていきます。
終章の楽園ですべてがわかり、そして泣けます。
親が子供を殺すという重いテーマでありながら、最後に救いがあり、あったかい気持ちで読み終えるのは、さすがというかいつもの宮部みゆきさんの小説なんあだなぁ

症例A



多島斗志之さん「症例A」
「多重人格」について書かれたミステリーは多々あるが、一番リアル?に描写している小説だと思います。
ありがちなサイコスリラー・ホラーに落ち着くことなく、それでいて面白いお話に仕上がっています。
ラストがいいのですが、続きが気になります。