2008年10月29日水曜日

厭世フレーバー



三羽省吾さん「厭世フレーバー」
父親がリストラにあい失踪したあと、残された家族たちの連作ストーリー。
14歳の中坊、17歳の女子高生、27歳の長男、42歳の主婦、73歳のおじいちゃん。
複雑な関係の家庭だからか、生きてきた時代が違うからか、みんなそれぞれバラバラなことを考えながらも生きている。
おじいちゃんの戦中戦後、母親のバブル時代、そして現代、みんな時代に影響され、ぶーたれながらもこれからも生きていくんだなぁ…。

2008年10月7日火曜日

無痛



久坂部羊さん「無痛」
一家四人惨殺事件。頭をハンマーで殴られ殺す躊躇ない残忍さ、死体を一箇所に並べて座らせる異常さは人格障害の犯人による犯行なのか?
生まれついての犯罪者はいるのか、犯罪者に表れる身体的な特徴である犯因症、痛みを感じることの出来ない身体に生まれた人間、メールでしか会話できない少女、変態的なストーカー、心神耗弱者の行為は罰しない刑法三十九条とそれを悪用するやつら、そして医療とは…などなど深く考えさせられるストーリーです。
ただどれもこれも深いテーマなので、絞り込んだほうがもっと印象に残ったかも。
少々つめこみすぎな感もしますが傑作であることは間違いナシ。