山田宗樹さん「嫌われ松子の一生」映画化・ドラマ化もされたあの有名な小説です。有名すぎてなんとなく読みそびれていましたがやっと読みました。名作です。一人の女性が落ちぶれていく様が見事に描かれています。美人で優等生の松子が、紙一重のところで不運な道に進んでしまう。そして落ちぶれていくたびにとうとう殺人まで犯してしまう。男運がない、不運、言葉ではいいつくすことはできませんが、誰にでもそんな要素はあるのかなぁとも思えてしまいます。松子のことを慈しみの心で包んであげたいと思いました。
萩原浩さん「ママの狙撃銃」幼い頃、アメリカ人の祖父のもとで教わったスナイパーの技術。そして1度だけ任務を遂行する。日本で優しい夫と2人の子供に恵まれ平和に暮らしていたが、かつて任務を依頼してきたKが25年ぶりにコンタクトをとってきた。家庭を守るために再び任務を遂行していくことに。ありえない設定ですが、娘をいじめる性格の悪い同級生を懲らしめるサブストーリーは面白かったです。ハードボイルドというよりも娯楽ハードボイルド小説です。