2007年9月30日日曜日

臨場



横山秀夫さん「臨場」
「検査官」の活躍を描く短編集。
横山さんの作品ははずれなし。
ただ主人公がかっこよすぎなのがどうも…

黒い春



山田宗樹さん「黒い春」
口から黒い粉を撒き散らし死んでしまう、致死率100%の黒手病。この未知の病に立ち向かう3名の研究者たちのドラマ。
研究者の奥さんが感染し、余命数ヶ月といわれる中で、懸命に1日1日を生きようとする…
感動しました。泣いちゃいました。

2007年9月24日月曜日

犯人に告ぐ

   

雫井脩介さん「犯人に告ぐ」
6年前の児童誘拐事件。県警と警視庁の手柄の取り合いの中、犯人を取り逃がしたばかりか児童も殺害されるという最悪の結果の責任を取らされ、記者会見で世間を敵に回してしまう発言をし左遷された主人公。
その主人公が、現在捜査の行き詰った連続児童殺人事件解決のため、テレビニュース番組に自ら出演し情報を募る「劇場型捜査」の主役に駆り立てられた…
6年の歳月の間でクールに変わった主人公が、警察内部からも世間からも非難を浴びながらも、犯人を追い詰めていくストーリーは面白い。ラストもよかったです。あとは、本部長を懲らしめてほしかったですなぁ。

2007年9月22日土曜日

笑う警官



佐々木譲さん「笑う警官」
婦人警官がアパートで射殺死体で発見、交際相手の警官が容疑者とされ、しかも射殺命令が。
彼は、警察内部の腐敗を明日告発する予定であり、警察組織の陰謀を感じた主人公が仲間とともに真犯人の極秘捜査を始める。
残された時間は24時間。捜査を進めていく中で仲間の裏切りもあり、最後まで緊迫した時間が流れていきます。
警察内部の不祥事があとを絶たない昨今であり、このストーリーの本質もありえることかもしれません。
ただ、映画の脚本のような、エンターテーメント小説すぎてちょっとリアリティに欠ける気もします。

2007年9月16日日曜日

呪い人形



望月諒子さん「呪い人形」
法で裁けない「悪いやつら」が次々に病院で不審死を遂げる。その不審死に関わったとして疑われる若い医師、呪い殺したと言う老婆。
最後まで真犯人が予測できなかったです。
自分で手は下せないが、死んでほしい人がいるという人々は現実にいるのかもしれない…
死んでいく人たちが、悪人ばかりだったのが救いといえば救いです。

望月諒子さんの「神の手」「殺人者」「呪い人形」。3冊どれも完成度の高い読み応えのある面白いミステリー小説です。
次作を大いに期待しています。まだかなぁ。

殺人者



望月諒子さん「殺人者」
ラブホテルで男性が拷問され、性器を切断された上に殺されるという猟奇殺人が連続して発生。
アルコール中毒で、精神を病んでいた容疑者の女性が逮捕直前に自殺してしまう。
被害者は当然の報いを受けたと思ってしまう、その復習劇を応援してしまうほど真犯人の動機が悲しいです。

神の手



望月諒子さん「神の手」
突然「自分は小説家だ」と言い始めた女性。その女性が書いたという小説は、3年前に失踪した小説家を目指す女性の作品であるばかりでなく、失踪した女性がとった過去の言動までもそのまま再現している。
乗り移りなのか、そんなことがあるのか…。
小説を書くということは、こんなにすざまじいものなのか、ということを思わずにいられない小説です。

デビュー作とは思えない、すごいミステリー

2007年9月2日日曜日

深追い



横山秀夫さん「深追い」
横山さんお得意の警察短編小説集。7つの物語が収められています。
どのお話も警察官そして1人の人間としての心理描写がうまく描かれています。
死んだ夫のポケベルにメッセージを送信し続ける妻の表題小説「深追い」が特によかったです。
短いお話の中で、これだけ書ける横山氏は改めてすごいと思います。
「半落ち」「出口のない海」「クライマーズ・ハイ」などの長編もすばらしいので、長編も期待します。

女神



明野照葉さん「女神」
美人で、トップセールス、恋人は医師、全てが完璧な女性の裏側は…女は怖い。
と書くと面白そうですが、内容も予想の範囲であり期待していたほどじゃなかったです。